大好きな作家のひとりである橘玲(たちばなあきら)氏の著書になります。
いつものことながら配達先への移動時間やウォーキングの時間にAmazonのオーディブルで読んだ本になります。
オーディブルって何よ?って方も意外と多いようなのでこちらの記事で解説しています。
それぞれの章ごとに印象に残ったエピソードに対して感じた事や考えたことなどをつらつらと書いていきたいと思います。
第一章 恋愛をHACKせよ
最近ではHACK(ハック)という言葉はかなり一般的になってきたと思います。
もともとの語源を検索してAIが解説した概要は以下の通りです。
「Hack(ハック)」の語源は「鉈や斧などで叩き切る」という意味です。そこから転じて「やりきる」という意味で使われるようになりました。
コンピューターエンジニアの世界では、「手早くラフな作業で期待に沿った機能を実現する」という意味合いを経て、「最小限の努力で最大限の効果を上げる」といった意味で用いられるようになりました。
「Hack」は、ITや日常生活での効率化テクニックとして広く使われます。ポジティブな意味での改善策から、ネガティブな意味での不正行為まで幅広い文脈で使われます。
「Hacking」は、コンピューターシステムやネットワークに不正に侵入し、機密情報を盗み出したり、システムを破壊したりする行為を指します。
ってなことです。
日常生活で使われる「Hack(ハック)」の意味としては「裏技」という意味で解釈するといいんじゃないかなって思います。
第一章では恋愛についての裏技を解説した内容になっています。
私は結婚して子育てに忙しい毎日なので実際に参考になる事が書いてあるわけでは無かったです。
しかしながら、もっと若いうちにこのことを知っていればもっと楽しい青春時代を送れたんじゃないかという気持ちになりました。
アメリカではナンパ師のことをPUAと言いPUAとは「Pick Up Artist(ピック アップ アーティスト」と言い女性を口説き落とす技術をアートと表現しています。
この言葉の語源となるエピソードについての歴史が解説されていて非常に好奇心をくすぐられました。
自分自身は結婚したことで「モテ」の競争からは離脱できたわけですが、男性も女性も「モテ」ることは重要であると遺伝子に組み込まれています。
そんな多くの人にとって興味関心を引く「モテ」る技術を科学的に解説してくれているので本書で紹介されている「ザ・ゲーム」という本も読んでみたくなりました。
これはアメリカの本なので「Pick Up Artist(ピック アップ アーティスト」について描かれた日本版の本としては藤沢 数希氏の「ぼくは愛を証明しようと思う。」を読む方が理解が進むかもしれません。
第二章 金融市場をHACKせよ
第二章は投資系のお話になります。
実際に金融市場をHACKして巨万の富を築いた人たちのエピソードが紹介されています。
投資っていう言葉だけでなんだか難しそうなんて感じる方も多いかもしれません。
ですが今では政府の後押しもあって多くの方が興味を持ち始めてるのも事実だと思います。
少しでも投資の世界に興味を持ち始めた方にとってはとても刺激的で面白いエピソードが詰まった内容になっていると思いました。
中でも投資のプログラムを自分で作ってコンピューターに取引させて大金持ちになった人のエピソードが印象的でした。
働かなくて豊かに暮らすという夢のような仕組みが実際に作り出せるというのは驚きです。
第三章 脳をHACKせよ
第三章は依存症のお話です。
依存症は大昔には存在せず、現代人特有の病気であると言われています。
依存症がある理由は様々あるとは思いますが、現代社会が大昔にくらべて圧倒的に安全になったことも理由のひとつでしょう。
大昔には命を守る為に色々な事に気を張り続けなければいけませんでした。特に大昔の人は食料を確保するという事に多くの時間を必要としており依存症になっている暇など無かったわけです。
ところが現代では食料も豊富で直ちに命の危険があるような戦争もありません。そうなると人間の注意力は他のものに向けられるようになります。
人間の注意力を他社に先駆けて奪うことが今の多くの会社がやっていることです。
科学技術を使って私たち一人ひとりの注意力を自分の会社の利益に結びつけるかを切磋琢磨しているのが現代の会社なんですね。
例えばインスタグラムを少し見るつもりがあっという間に数十分経ってしまった。とかYouTube観てたら一日終わってたとか。
これも全て巨大企業の巧みな注意力を奪う作戦によるものです。
これは人間の本能に強力に作用する仕組みなので簡単に抜け出す事ができないんですね。
他にもパチンコ屋だったりアルコール飲料だったり依存症の罠は至る所に存在します。
依存症について理解を深めたい方には是非一読してもらいたい内容になっていました。
第四章 自分をHACKせよ
第四章は自己啓発のお話です。
前章の依存症の話は他人から自分の脳をHACKされると言い換える事ができます。
それにより不幸な人生を送るきっかけになってしまうかもしれません。
その対抗策として自分で自分をHACKすることで幸せな人生を手にすることが可能になるかもしれない。そのことについて自己啓発の歴史を紐解きつつ、その仕組みについて解説されています。
私は年間100冊以上の本を読みますが自己啓発系の本も10~20冊程度は読んでいます。
特にひと昔前の自己啓発系の本はどれも似通っている事が多かったんですが、その理由についてもこの章を読むことで理解ができました。
アメリカ発の自己啓発の一大ブームが日本にも到来してその方法について表現を変えて出版されたのが数々の自己啓発本なわけです。
ただ、この自己啓発ブームには暗い影もありアメリカでも多くの自殺者を生み出した元凶ともいわれているみたいです。
自分を含めた人間というものを理解するのに良いきっかけになる内容と感じました。
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